かならず戻るといったのに、戻ってきたのは船だった。操舵室には湯気を立てるコーヒーカップがひとつ。積載量いっぱいに船倉を満たしたフレッシュな不在は、港で競りにかけられ、その晩には家々の食卓にのぼった。突如無人になった何千もの家で、コーヒーカップからのぼる湯気。