そろそろ終わり

毎月日記を書く、と2月に書きながら、もう7月になってしまいました。毎日毎日、街に慣れて自分の経験を更新していくうちに、少し前に書いた日記が、いややっぱり違うな、みたいな感じになって、なかなか公開できないまま半年が過ぎました。
旅ももう終わりなのと、できるだけ資料や本などを減らすために、これから、すこしずつ再度思い出しながら、それぞれの経験について項目ごとに文章を書いていこうと思っています。まずは項目を書き出すところから…、

本来なら、ACCのプロジェクトは6月30日までのところ、滞在ビザが追加で30日ステイできるのを利用して、7月25日までNYCに滞在する予定でこの街に残っています。運良く、7月22日から都美館で個展をする荒木珠奈ちゃんちが留守になるので、モルモットの世話係として居候している(モルモットの世話についてはinstagramに毎日アップしてます)。そのあとは、カナダ、ケベック州のレジデンスプログラムに参加して、一瞬NYCに戻り荷物をピックアップして25日夜に発って8月27日に日本に戻る予定です(ESTAが取れればなんですけど…、ちょっと不安)。
こちらでは本当にいろいろな人にお世話になりました。7月頭に次のACCの人々がきて、ああ、いよいよ私は帰らなくちゃだな、と思いつつ、夏から滞在が始まるのいいなあ、と羨ましく思ったり。

いまこの街に残っているのは、6月30日からガバナーズ島での展示が始まったからなのですが、2回目の週末が終わったところ(週末しかオープンしていないのです)で、週末はできるだけ展示に顔をだすつもりで滞在中です。
NYCを離れるまでに、あと2回週末があるので、ガバナーズ島にいって、ウィークデイは見損ねた美術館や博物館をまわるつもりです。最後に会いたい人たちもいるのだけど、なかなか時間をあわせるのがむずかしい。

展示については、2月に書いた日記を見ると、机一個でいいから展示したいとか書いてますが、展示したいといいまくってたら机一個でなく部屋一個もらえて逆に大変になってしまった。展示の内容は、いままで作ったものをベースに、ここで見つけたテーマを中心に構成したのでこちらも詳しく記事を書きたいと思います。

さて、この半年、いろいろなことがあったような気もするし、ぼんやり過ごしてしまったような気もする。少しは英語が上達するとよいな、と思って2度ほどIELTSのテストをうけましたが、一度目は惨敗で、二度目は遅刻してうけられませんでした…。

本当は6月に帰国したら10月にイギリスの大学院にいくつもりで一応受かって奨学金の面接を受けたり、アメリカ滞在中にいろいろ準備してたのだけど、滞在がずるずる伸びて、10月から日本での新しい仕事がきまったりで、それはまた先延ばしに。今の気分はしばらく日本にいたい、という感じなので進学もちょっと考え直すかもしれない。どこかで修士の資格はほしいとおもっているのだけど。悩み中です。

英語については、少しは話したり、読んだり、聴いたりがアメリカに来る前よりは楽になったけど、でも現地の人にまじって普通に会話をするのや、大学の講義を全部理解するのは難しいです。発音も以前通り最悪。書いたりも苦手、AIと機械翻訳の使い方ばかりうまくなりました。
会話もいまいちですが、移民向け英会話教室で会った移民の人たちと話せたのはすごくよかった。ロシアやウクライナ、キューバ、南米、アフリカ、本当に色んな国からいろんな事情をもってやってきた彼らには、短いインタビューをしたので、ガバナーズ島での作品に使わせてもらっています。

この半年の滞在で目標としていたのは、ACCのプロポーサルに書いた、チュードアやSonic Arts Unionを中心としたDIY音楽シーンの今昔の調査の他に、英語の上達、展示とライブをする、今後の活動につながるような人たちに会う、というところで、英語以外だいたい達成したような気もするけど、ギャラリーとレーベル/レコード店はあまり回れなかったので、ちょっと心のこりです。あとは、旅の途中でiPhoneを紛失してしまい、ボストンとデトロイト、それからNYPLで撮影した資料の写真などをなくしてしまったのも心のこり。

ここでは、いろんな人にあって、いろんな機会ももらって、このまま滞在しつづければ、移民になれば、活動も続けていけるんじゃないか、日本より機会が多いんじゃないかって、そんな感覚にもなりましたが、そうやって帰れなくなる人も多いんだろうなと思う。
それとはまた逆に、そういう期待して残る人が多い分、そして、ほとんどの住人がよそからやってきた、たとえ親の代からの住人でも3代遡ればみんな移民、という街ということもあって、この街の人たちは外国人に対してとてもドライだなと思ったり。この辺は他の国にはない感覚。

あと意外なことですが、日本人が暮らしていく街としては、欧米はもちろん、実は台北より暮らしやすいというのも発見でした。台北も相当東京みたいな街ですが、台北にはamazonがなく、地味に不便なのです。中国語ができないとネットでものが買えない。ニューヨークやロサンゼルスは日本スーパーもたくさんあるし、台北の前に滞在したローザンヌ、フランクフルト郊外、ロンドンなんかに比べても段違いに日本人が住みやすいと思う。物価は高いけど、スイスよりは安い。スイスとは違って、安いものをさがせば売っている。ベルリンなんかも移民の街だけど、長期滞在したことはないのでどっちが暮らしやすいのかなー、とちょっと思います。

そんな感じで、次は日記じゃなくてなんかの記事かも。7末に移動するカナダのことなんかも書くかもしれません。